ツチダのエンピツ

ペンは剣より強いので

断酒90日目

お酒をやめて90日が経ちました。

90日と言ったら三ヶ月です。マジかよ。

自分のことながら、とても信じられません。

 

お酒を飲んでいた頃のわたしは初対面の人に紹介される時、下記のような扱いを受けていました。

 

お酒大好きツルギさん

酒豪のツルギさん

ビール大好きツルギさん

お酒の強いツルギさん

 

夕食には毎日のようにビール。

ビールに合うおつまみを作っては飲む。

ごはん作るのが面倒な日は、ビールに合うおつまみを買って来ては飲む。

今日は仕事頑張ったからと飲み、

いいことがあったからと飲み、

悲しいことがあったからと飲み、

金曜日だから飲む。

土曜日だから飲む。

明日から仕事で憂鬱だから日曜日に飲む。

旅行に行ったから飲む。

外食だから飲む。

実家に帰ったから飲む。

家に一人だから飲む。

暑いから飲む。

寒いから飲む。

天気がいいから飲む。

雪だから飲む。

雨だから飲む。

何か飲みたいから飲む。

 

それが今やお酒を一滴も口にしない人間に。

驚きです。

 

きっかけは、当時つきあい始めたばかりだった恋人とお酒を飲んだ時でした。

とても楽しい時を過ごしたなあと翌日になって恋人にメールをしたら、恋人からの返信に肝が冷える思いをしたのです。

というのも、楽しかったけれど、帰り際にわたしが怒鳴ったらしく恋人に不快な思いをさせたようなのです。

文面からお察しいただけるでしょうか。

はい、心当たりがありません。

 

何で大好きな恋人に怒鳴らなきゃいけないんだよ。そんなことするわけないけど、でも恋人が嘘をつくわけないし。

声が大きくなったのを怒鳴ったと思われたのかな。いや、しかしそれも記憶にないな。

そういえば、飲み過ぎた気はしてた。酔っちゃったなあとは思った。

心当たりがあるなら、今後気をつけようがあるけれど、覚えてないのは本当にまずい。

そして、過去のお酒の席に於ける失態が頭の中を駆け巡ります。

 

度重なる二日酔いのこと。

始発まで飲んで、始発に乗り込んだのに始発駅から終点まで何往復もしたこと。

職場の人たちと行ったカラオケではしゃぎすぎて、酔いが醒めてから自己嫌悪に陥ったこと。

酔ったノリであまり行きたくもない二次会に行って帰りが遅くなって後悔したこと。

あまり親しくない男性の肩に何度もパンチしたこと。

飲み会の終わりに誰かに跳び蹴りをしたこと。

元カレに跳び蹴りをしたこと。

初対面の男性に跳び蹴りをしたこと。

 

わかったぞ。

わたし、酒癖が悪い。

だめだ、ひとまずお酒を飲むのをやめよう。

このままいくと、きっとアルコール依存症になってしまう。

アルコール依存症になってしまったら、お酒を一生飲むことができない。

そんなのはつらいから、ここでちょっと立ち止まろう。

とりあえず一ヶ月だ。一ヶ月お酒をやめよう。

そう心に決めて、お酒を飲むのをやめました。

 

ほとんど毎日、夕飯にビールを添えていたわたしが。

週末にはビールを欠かさなかったわたしが。

飲みに誘えば喜んで参加すると思われていたわたしが。

会社の飲み会でも、お酒の飲めるキャラで通っていたわたしが。

 

会社の飲み会が難関かと思ったのですが、一杯目を頼む時に「今日はお酒飲めないんで」と言ってウーロン茶で始めてしまえば、後はどうってことなかった。

それ以来、飲まない側の人間で通っているから、無理だと思っても案外できるものなんだなあと思いました。

元々、会社の飲み会は好きではなかったので、誘われなくなってラッキー。

 

そして、飲まないと決めた一ヶ月間で、アルコール依存症とかお酒の害について色々調べました。

そうすると、このまま飲まない方がいいんじゃないかと思えてきた。

それに、お酒のない生活が思っていた以上に快適なのです。

飲んでいた頃は一生飲めなくなるなんて絶対に嫌だと考えていたのに。

 

お酒を抜いてみると、一時期は美味しく飲んでいたお酒も、最近は味なんかどうでもよくてひたすら酔いを求めていたように思えてきた。

お酒は美味しいんじゃない、楽しいんだ。お酒の席でよく言っていたっけ。

むかしほど美味しく飲めていないのだった。

それに飲んでいる間はいいのだけど、飲んだ後も酔いが残るから飲んだ後はまともな判断ができなくなってしまう。

翌日にも残る。

残らない量で収めておけばいいんでしょうけど、もうそれができなくなっていたのです。

そんな量じゃ満足しない。

アルコール依存症に片足突っ込んでいたのかもしれませんね。

飲酒の一日の適量っていうのを調べたら、すっごい少ないの。

あんな量なら飲まない方がマシ。

 

お酒をやめようと思う前から、お酒を減らしたいという気持ちはあった。

お酒をたくさん飲むと、食欲がわいてたくさんごはんやお菓子を食べてしまうことがあって、それが嫌だった。

お酒を飲んでいるうちに、自炊するのが面倒になってコンビニのお弁当やお惣菜で済ませたくなるのが嫌だった。

週末、明るい時間から一人でお酒を飲みながら漫画読んだり、お菓子を食べたりしてだらだら過ごすのが本当に好きだったのだけれど、それをやると一日だらけてしまうし、翌日もだるいし、体重も増えるし、むくむ。

楽しいし好きだけど、デメリットが多い。

でも、お酒やめたくない。だから、まずは一人で飲むのをやめようとしていたのです。

その矢先に恋人に不快な思いをさせてしまった。

 

お酒をやめたきっかけは、恋人に不快な思いをさせたことだけど、そこに至るまでの下地があったんだよね。

水で満たされたコップの、あふれだす最後の一滴がその出来事だっただけ。

恋人に不快な思いをさせることがなくても、近いうちにお酒をやめていたと思う。

 

もう一生分、飲んだ。

これ以上、飲めない。

さよなら、お酒。

楽しい思い出をありがとう。

大好きでした。他の人に、幸せに飲まれてね。