劇的な出会いは必ずしも運命的な出会いではない
みなさんは、現在の恋人や配偶者とどのような出会いをしましたか?
今までの恋人や配偶者とはどのような出会いをしましたか?
恋人になる人と出会った時の話を聴くのが好きです。
おつきあいをするなれそめの話が好きです。
配偶者になる人に求婚する(あるいはされる)話が好きです。
今日は、わたし自身の出会いにまつわるお話をします。
わたしが十代最後の一年を過ごす学生の時、そのひとと出会いました。
そのひとは海の近くに住んでいました。
湘南です。
湘南ゴールド。
湘南ゴールドっていうのは、神奈川県で開発された柑橘類の名前だけれど、湘南ゴールドを使ったビールが美味しいので今日は湘南ゴールドって名前だけでも覚えて帰ってくださいね。湘南ゴールドを使ったビールは美味しい。
はい、Repeat after me,"湘南ゴールドを使ったビールは美味しい"
Good.
交際している間、湘南ゴールドはわたしをとても気に入りいろんなお友達に紹介をしました。
そのうちの一人が、むかしのバイト先の先輩だったという三田さんだか四ッ谷さんだか三ツ矢サイダーだかとにかく数字が入った名字の年上の女の人でした。
三田さんだか四ッ谷さんだか三ツ矢サイダーが「二人はどうやって出会ったの?」と尋ねてきました。
湘南ゴールドの住まいは湘南であるし、わたしは都内在住であり住まいが近いわけではない。
年齢も著しく離れてはいないが同じ年ではない。
学校が同じでもない。
どのように出会ったかというのは当然の疑問でありました。
湘南ゴールドは言いました。
「俺って通信制の学校に通ってるじゃないですか。でもたまに学校に行かなきゃいけないことがあって、それが高田馬場なんですよ」
三ツ矢サイダーは真剣に聴いていた。
「で、その学校に行った時、高田馬場を歩いていたらこいつがハンカチを落として」
「うん、あれは早稲田通りだったね」
「お嬢さん、ハンカチ落としましたよって拾ってやって」
「白いハンカチだったね」
「お茶でもしませんかって言ったのがきっかけでつきあうことに」
ここで三ツ矢サイダー「えー、すごい!運命だね!」と感激するので、
すかさず湘南ゴールドは「まあ、嘘ですけど」と即答をしました。
それ以来、その嘘エピソードが気に入ってなれそめを聞かれる度にそうやって答えてました。
実際のところ、どうやって出会ったかはさほど重要ではなくて、出会った人がどうであるか。
自分が相手をどう思うのか、自分と相手との関係がどうであるのかが重要に思えます。
劇的な出会いは必ずしも運命的な出会いではないし、素晴らしく幸せになることが約束されているわけではない。
平凡な出会いをしたからと言って、素晴らしい幸せへの道が閉ざされているわけではない。
素晴らしい幸せというのは、案外平凡の中に隠れていたりするものです。
劇的な出会いをしてしまうと、出会いがピークでその後テンションが右肩下がりなんてことも有り得ます。
劇的な出会いをして、交際してからも驚きの連続、感激の連続、アドレナリン大放出だと寿命が縮んでしまいます。
結婚生活には穏やかさを求めたくなると思うんです。したことないからわからないけど。
恋人や配偶者のいる方は、出会った頃のエピソードを思い出し、二人で語らいあってはいかがでしょうか。
相手と語らいあえないのなら第三者に語ってもよいと思います。
もちろん、わたしに語ってくれてもよいですよ!
ただし、今後の参考にします。