止まらない胸の高鳴り、身体を突き抜ける衝撃
ギックリ腰になったことあります?
わたし、腰痛さんとは8年前に歩くのにも難儀する痛みを患ってからのつきあい。
腰痛持ちとして、だいたい腰痛さんのことはわかった気でいた。
人が腰が痛いって言った時に、わかるつらいよねと思っていた。
だけど、わたしの知る腰痛なんてまだまだ甘かった。
日曜日にわたしを襲ったギックリ腰。
その時は「これはギックリ腰だ」などとは考えない。
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い何これめっちゃ痛いめっちゃ痛いめっちゃ痛いめっちゃ痛いめっちゃ痛い!!」
こんな激しい腰痛さん、初めて。
あまりの痛みに心臓がバクバク。
心臓弱い人なら命に関わるよ、この痛み。
8年来のつきあいなのに、あまりに情熱的な一面を明かされて胸の高鳴りが止まらない。
こんな一面知りたくなかった。
止まらない胸の高鳴り。
身体を突き抜ける衝撃。
まるで電流が走るようだわ!
もう腰痛さんのことしか考えられない。
これは恋かな?
わたしの人生で一番ひどかった腰痛は、8年前だった。
でもあの時は、痛みを堪えながらも外を歩けた。
会社を早退して自らの足で病院に行ったのだ。
しかし、今回。
起き上がることもままならない。
痛みで目の前に星が飛ぶ。
二足歩行ってどうやるんだっけ?
四つん這いで歩いても痛い。
腰痛さんのあまりの存在感にひれふすしかない。
あまりの痛みで二回倒れたのですが、
二回目に倒れた時は床に転がりながら散らばった半乾きの洗濯物を抱きしめながら「痛いよお」と泣きじゃくり、泣きじゃくるとまた背中に響く。
痛すぎて泣き過ぎて過呼吸になるんじゃないの。
過呼吸になったらもっと響くんじゃないの。
「救急車呼ぼうかな」って本気で考えた。
しかし、救急車を呼ぶにはiphoneの置いてあるベッドまで戻らねばならず、
救急車が来たらオートロックの共用玄関を解錠せねばならず、
オートロックの共用玄関を解錠するにはインターホンに応じねばならず、
インターホンに応じるには二本足で立つ必要がある。
その後、無事に救急隊員のみなさまを共用玄関の内側にお迎えできたとして、
我が家のインターホンを押された時に応じねばならず、
応じなかったとしても玄関の鍵を開けに玄関まで行って、
ああ、二本足で立たねば玄関の鍵は開かない。
更に救急車で病院に運ばれたとして、
帰りは救急車で送ってくれませんから公共交通機関を使って帰らねばならず、
そのためには外を歩ける格好に着替えなくてはならず、
いや、この状態で公共交通機関利用するの無理でしょ。
公共交通機関利用できるなら自力で病院行ってるわ。
今のわたしは、手を伸ばしたって望む物には何一つ触れられない。
インターホンにも、玄関の鍵にもだ。
結論:
腰痛じゃ死なない、救急車は呼ばない。
ベッドに横たわりながら「ギックリ腰」で検索しまくり、とりあえず三日安静にすれば痛みが落ち着くとあったのでそれを希望にひたすら寝ました。
みなさん、ギックリ腰の痛みは永遠には続きません。
あの痛みは我々を絶望の底に叩き落とすのに十分な威力がありますが、三日です。三日耐えてください。
わたしは三日目に二足歩行ができるようになり、赤ん坊の頃に初めて立ち上がった感動を思い出しました。覚えてないけど。
二足歩行、最高!
なお、突然の腰痛に関して、安静にしていても痛みがやわらがない場合や、直前に腰を強打した場合などは、
救急車を呼んだ方がいいらしいので、覚えておいてくださいね。